むくみとネフローゼ症候群

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ネフローゼ症候群には、様ざまな腎疾患が含まれていまして、ひとつの疾患を指すものではありません。

腎不全にならないために

ネフローゼ症候群は、通常早期に治癒することは難しく、症状が軽快した後も、再発を含めて注意深く見守る必要があります。入院中や退院した後にも、ストレスを少なくして、食事の減塩を行い、正しく服薬して退院時の状態をより長く維持していけるように医師の助言の下、日常生活全般を改善して、腎不全にならないように毎日を過ごすことが大切です。

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ネフローゼ症候群とは

ネフローゼ症候群は、たんぱく尿が出て、血液中のたんぱく質が不足する病気です。血液中のたんぱく質の減少が引き金となって、症候群といわれるように、さまざまな症状が発生します。

腎臓の働きには様ざまなものがありますが、ネフローゼ症候群を発症して腎機能が低下してくると体内に毒素が蓄積したり、むくみ(浮腫)がでたり、貧血あるいは血圧上昇、また、骨の形成に異常が出たりします。

代表的な症状として、
・たんぱく尿
・むくみ(浮腫)
・高脂血症
があります。

ネフローゼ症候群は、発症年齢による分類(成人ネフローゼ症候群と、小児ネフローゼ症候群)や発症原因による分類(一次性(原発性)ネフローゼ症候群と二次性(続発性)ネフローゼ症候群)があります。15歳以下の多くは微小変化型ネフローゼ症候群です。

ネフローゼ症候群の原因

原因は、腎臓のろ過機能の最前線を構成する、腎臓の「糸球体」の異常によっておきるものと、さまざまな疾患の結果として、糸球体などの腎臓機能に障害が出ることで発症するものとがあります。

糸球体異常を第一原因とするものを一次性(原発性)ネフローゼ症候群といい、その他の疾患によって引き起こされた糸球体異常によるものを二次性(続発性)ネフローゼ症候群といいます。

腎臓のろ過機能の異常から、たんぱく質(高分子タンパク、主としてアルブミン)が過度に体外へ排出さることで、たんぱく尿になります。

たんぱく尿になると、体内の水分量が増加し、むくみ(浮腫)が全身に生じるようになります。また、肝臓が働いて、失われるアルブミンを補おうとしますが、その過程でコレステロール運搬タンパクなども同時に生成されるため、LDLのようなコレステロールが血液中に増加して、高脂血症がおきることになります。

こどもに多い微小変化型ネフローゼ症候群

微小変化型ネフローゼ症候群(一次性ネフローゼ症候群)の場合には、ステロイド薬が有効で、ステロイド薬を使用した場合は、発症以前の状態に回復することが、こどもで90〜100%、大人でも75%可能です。しかし、再発率は50〜60%に達するために、予後は適切にコントロールされる必要があります。また、小児にステロイド薬を投与すると、成長を阻害し、性的発達を抑制するなどの問題を引き起こす可能性があり、注意が必要です。

二次性ネフローゼ症候群

がん(悪性腫瘍)、膠原病(慢性間接リウマチなど)や糖尿病など多くの病気によってネフローゼ症候群が引き起こされる場合があります。また、外部から取り入れられた化学物質、たとえば、薬剤、金属剤、薬物(ヘロイン)などといったものが原因となることもあります。ウィルスなどの感染やアレルギーなどが原因となること。虫や蛇にかまれた場合、治療用の血清、ワクチンなどへの反応が激しすぎて拒否反応となることで発症したりします。また、先天性腎疾患、妊娠中毒症や肝硬変、エイズなど、その原因となるものは広範囲に及びます。

ネフローゼ症候群の症状

初期には、顔、とくにまぶたや手足にむくみが生じます。症状が進行していけば、全身にむくみが現れるようになります。内臓にもむくみが見られるようになり、胸や腹に水がたまる(胸水、腹水)ようになってきます。はじめは頻尿となり、次第に尿が出にくくなります。血圧の低下や貧血状態が生じます。また、血液が固まりやすくなり血栓症が起きたりします。長期化すれば、腎不全など腎臓機能の障害へ進むことになります。

嘔吐、下痢が同時に起きた際には、しばしばショックを起こすことがあります。また、症状が急進して、尿管の壊死や血栓症を引き起こすと最悪の場合、命に係わることもあります。

ネフローゼ症候群の自覚症状

次のような身体の変化や症状が自覚された場合は、ネフローゼ症候群を疑い、子どもは小児科、大人は内科もしくは腎臓内科を受診します。高血圧の症状が出ている場合は、すでに腎臓機能が低下している、進行している疑いがあります。

・急に、顔(特にまぶた)や手足がむくむ。
・足を押してもすぐに皮膚が元の状態にもどらない。押したあとが残る。
・体重が急激に増加する。1週間に3キロ以上増えたら、病院へ。
・尿の量が急に増える、あるいは、著しく減る。
・尿のあわ立ちが著しい。
・尿の色が濃くなったり、白っぽくなる。
・全身の倦怠感、疲れやすさ 無気力になる
・めまいなど、貧血の症状がでる。また、顔面蒼白になったり、動悸息切れを覚える。
・横になると咳が出たり、呼吸困難を覚える(胸水、腹水の可能性)。
・食欲不振、下痢、吐き気の症状がある。

ネフローゼ症候群の診断基準

次の判断基準を満たせば、原因にかかわらずネフローゼ症候群と診断されます。

・尿蛋白1日3.5g以上。
・血清総蛋白6g/dl以下・血清アルブミン3g/dl以下。
・血中総コレステロール250mg/dl以上 。
・浮腫(むくみ)。

ネフローゼ症候群の検査

腎生検
糸球体の顕微鏡検査を行います。一次性ネフローゼ症候群(全体の約70〜80%)の原疾患の確定診断のためには、組織の一部を採取して調べるます。二次性ネフローゼ症候群(20〜30%)でも確定診断や治療法を決定するために、やはり腎生検を行うことがあります。

腎機能検査
腎機能は正常から機能低下まで程度の幅が大きいです。測定するのは、血清尿素窒素、クレアチニン、クレアチニンクリアランス(Ccr)、シスタチンC測定。

尿検査
所見で、通常大量の蛋白尿が確認されます。また、脂肪・硝子・顆粒円柱も見ることがあります。一日尿量も測定します。そのほか、血尿は微小変化型以外では、いろいろな程度の顕微鏡的血尿が認められます。

血液生化学検査
血清総蛋白や血清アルブミンが低下。血中総コレステロール・中性脂肪上昇。 高コレステロール血症などが認められます。

血液凝固検査
フィブリノーゲン、D-ダイマー、FDPの上昇などを見ます。

腎形態
エコーやCT,MRIで腎の形態や血流を調べます。

ネフローゼ症候群の治療

ネフローゼ症候群治療の必須三項目

・安静と保温
・食事療法
・薬物療法

入院して安静状態にします。薬物療法と食事療法を行います。二次性ネフローゼ症候群は、発症原因となった病気の治療も行います。

安静と保温が必要なのは、特にむくみ(浮腫)がある場合です。腎臓に負担をかけないようにするために、睡眠と休養を十分にとり、常に身体を冷やさないようにします。

食事は、常に低塩にします。摂りすぎには注意しますが、たんぱく質の制限はしません。

一次性ネフローゼ症候群での薬物療法としてはステロイド薬が用いられることが多いのですが、その反応性は病型や重症度によって異なります。微小変化型ネフローゼ症候群では前述のように、目覚しい効き目が伺えます。同時に再発の可能性もあります。

また、微小変化型以外の一次性ネフローゼ症候群のタイプ(異常硬化型、膜型、細胞増殖型)や、二次性ネフローゼ症候群は、再発が少ないのですが、普通、ステロイド薬があまり効かないものが多くあります。巣状分節状(そうじょうぶんせつじょう)糸球体硬化症、膜性腎症などでは約70%が効果が期待できません。ステロイドの効果が低いものや頻繁に再発する症状には、免疫抑制剤が使用されます。

糖尿病性腎炎によるネフローゼ症候群では、ステロイド薬の投与が、ネフローゼ症候群を発症する原因となった糖尿病を悪化させる危険があるため、使用には慎重さが求められます。

高脂血症、むくみ、胸水、腹水などの各症状を緩和・改善する対症療法のための投薬治療を行います。腎不全など重篤の場合は透析治療をおこないます。

植物(ウルシ科などや虫刺されなどに敏感な人、あるいは、アレルギーがある人は、過剰な反応を引き起こすものに触れないようにします。アレルギーなどによって起こるネフローゼ症候群は、アレルギーの元になる「アレルゲン」を定期的に注射や塗布などで体内に浸透させ次第にその量を増やしながら、慣らしていく治療法(脱感作療法)をおこないます。

ネフローゼ症候群の食事療法

食事は、何を摂り、何を制限するかを理解したうえで、毎日継続することが大切です。

食事の基本は、減塩です。
特にむくみ(浮腫)があるときは、一日3〜5グラムを超えないようにします。また、むくみ(浮腫)がない場合でも、8グラム以下に抑えるようにします。

たんぱく質は、制限しません。
健康な成人の場合、たんぱく質の一日の必要所要量は、体重1キログラムあたり平均で1.18グラムです。成長期のお子さんの場合は、2.0グラム程度必要とされます。

その他、ビタミンやミネラル、などの微量栄養素が不足しないよう、バランスの良い食事を心がけます。総カロリーは、標準体重1キログラムあたり35キロカロリー以上になるようにします。

ネフローゼ症候群と日常生活のポイント

・塩分量をコントロールするため、適度に腎臓病食や糖尿病食などを利用すると便利です。

・外食は味付けが濃く塩分も表示されているより多めに使用されている可能性が高いので、 注意します。

・ステロイド薬を服用している場合は、免疫力が低下しています。また、むくみが続いていると皮膚の抵抗力が減退してしまうので、重い症状になりやすくなります。清潔にし予防を心がけ、ウイルスや感染症に気を配ります。風邪なども注意します。

・体が冷えると血管の収縮・血流の減少となり腎臓に負担が及びます。保温は大切です。

・ストレスを感じるとストレスに対処するために使用された物質のカスや老廃物が血液中に放出されるため、腎臓に負荷がかかります。ストレス回避に努めましょう。

・むくみの変化や体重の増減、尿の量と色の変化に日常的に気を配り、正しい服薬を行うこと。体調の変化や気づきがあれば、医師にすぐ相談しましょう。 。

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